はちみつ色の太陽
そこまで言って冷ややかにシラサカを見つめれば、シラサカの顔が怒りで真っ赤に染まった。
本当に、馬鹿馬鹿しい。
蜂谷がコイツの言うような奴じゃないことくらい……俺にだって、わかる。
自分に言い掛かりを付けてきた奴を、スリッパで殴るような奴だぞ?
演歌を歌いながら、楽しそうに草むしりとかやっちゃう奴だし?
お人好しを通り越して……余計な迷惑ばっかり背負うような奴だ。
「ふ……ふざけない、でよっ」
「……、」
「あ、愛美のこと……っ、愛美にっ。二回も、恥をかかすの……っ!?」
ぼんやりと、あの変な奴のことを考えていれば、突然声を荒らげたシラサカ。
目をやれば、やっぱり怒りで顔を赤く染めたまま、完全に我を失っているようだった。
最早怒りのほうが勝って、本性を取り繕う余裕もないみたいだし。
「最低……っ!!」
そのまま持っていたバッグを俺の身体に投げつけると、肩を揺らしながら荒く呼吸を繰り返した。