はちみつ色の太陽
「な、なんで、なんで、あんな女に……っ」
“あんな女”というのは、蜂谷のことだろう。
やっぱり、友達じゃないじゃねぇか、と、心の中でヘラヘラと笑ったあの日の蜂谷にツッコミを入れてみた。
だけど、そんな風に呑気に構えていた俺は、何も心の準備ができていなくて。
蜂谷のことを、なんとなくわかっているような気分でいた俺は――――本当は、蜂谷のことを何もわかってやれてなかった。
「あんな、女……っ。あんな……太陽の下じゃ、何もできないような、あんな女に……っ」
「太陽の下……?」
突然のシラサカの言葉に思わず聞き返せば、ニヤリと口角を上げ、「もしかして、知らないの?」と、楽しそうな声を出す。
それに、不愉快にも不穏な音を立て始めた心臓。
思わず耳を塞いでしまいたくなったけど、それより先に、目の前の女の口が逃すものかと再び言葉を紡ぎ始めた。