はちみつ色の太陽
 


日下部くんも今頃、白坂さんと二人で夜空を見上げているのかな……



「あ、花火、もうすぐ始まるみたいだよ!」


「うん……」



花火の開始3分前のアナウンスを聞きながら、心の中で、ごめんね……と、高橋くんに謝った。


……高橋くんの気持ちは、素直に嬉しかった。

告白なんてされたの、中学以来だし。


好きだと言われて嫌な気持ちになるわけもなく、更には高橋くんみたいな男の子に告白されて、嬉しくない女の子はきっといないと思うから。


でも……それなのに何故か気持ちは浮つくことはなく、それどころかさっきから、ずっと日下部くんのことばかりを考えている私。


普通なら告白なんてされた日には、もっとこう……ドキドキ、ドギマギ、キュンキュン、とかするはずなのに。


それさえも無く、あの無愛想クールガイのことばっかり考えちゃうなんて、私ってばどうかしてるよ……


……どうせ日下部くんは、私のことなんて1ミリも考えてないだろうに。


 
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