はちみつ色の太陽

　



「だけど、そんなの全然気にすることじゃないのに」


「……え？」


「蜂谷さんの体質のことなんか、全然大したことないよ。実際、聞いた時に俺は何とも思わなかったし」



つい俯いてしまった私に寄越された高橋くんの言葉に、弾けるように顔を上げた。


私に柔らかな笑顔を見せながら、「大丈夫だよ」という言葉を表情に載せた高橋くんは、軽快に言葉を紡ぐ。



「そりゃ、蜂谷さんは大変だし可哀想だなぁとも思ったけど。でも周りは、蜂谷さんが思うほど、そんなの気にしてないよ」


「そんなの……？」


「うん。だから、そんなことで自分の評価を自分で下げるなんて、絶対に止めたほうがいいと思う。蜂谷さんは……笑ってる顔が一番、可愛いし……」



最後の方は照れていたのか、語尾を細めた高橋くんは恥ずかしそうに視線を斜め下へと逸らした。


けれどそんな高橋くんを前にして、私は体の奥底から込み上げてくるものと必死に戦っていた。



「俺は、そんなこと全く気にしないよ？」



――――そんなこと。

少しでも気を抜いたら――――涙が零れそうだ。