はちみつ色の太陽
 


言いながら曖昧な笑みを零せば、再び日下部くんの眉間にシワが寄る。


だけど今零した笑いは、“気にしないで”という意味の篭ったもので。


無理に笑っているわけじゃない。

無理に明るい声を出しているわけではなくて……もう、癖になってしまっているだけ。



「でもね?紫外線アレルギーっていっても、そんな酷いものじゃなくて……私の場合は、紫外線を浴びると気持ち悪くなったり、ほんの少し身体に湿疹が出る程度で。気持ち悪くなって倒れるのは、元々貧血気味なのもあるし」


「ああ……」


「それにこれは、子供の頃からとかじゃなくて、私は、ある日突然なっちゃったっていうか……だからまだ、紫外線アレルギーって診断されてから3年くらいなんだけど」


「ある日、突然?」


「……うん。お医者さんが言うには、体内にある抗体が一定量を超えた時に、突然なっちゃう人がいるんだって」


「……、」


「その……突然なっちゃった人が、私……みたいな」


 
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