はちみつ色の太陽
そして、ある日――――
また私は、いつものように具合が悪くなり、無理をしたまま太陽の下にいたら意識を失った。
気が付いたら病院のベッドの上で、腕には点滴の針が刺さっていて。
意識を取り戻した私のところにやってきたお医者さんが、心配そうに私を見る母に目配せをしたあと、諭すようにゆっくりと言葉を紡いだ。
「……紫外線アレルギーだと思います」
「紫外線、アレルギー?」
「紫外線アレルギーは人によって症状も違う上、症状によっては熱中症や、ただの蕁麻疹だったんだと勘違いする人も多いので非常に気が付きにくく……それでいて、誰でも発症しうるアレルギーなんです。もちろん、美月さんの場合は少し貧血気味なのもありますが」
「……、」
「紫外線アレルギーについては、一般的には陽に当たった部分だけに表れる皮膚の症状……つまり、先程言った蕁麻疹のようなものが表れることが多いのですが、人によっては頭痛や吐き気、発熱などの全身症状を表す人もいます」
「全身、症状……」
「詳しい検査をしたわけではないので、まだハッキリとは断言できませんが、美月さんの場合は後者の症状が出ているのだと思います。それと、こちらは軽い症状ではありますが、腕にも少しだけ発疹のようなものも見られました」
そう言われて思い出すと、気持ちが悪くなった時には必ずと言っていいほど、身体に軽い蕁麻疹のようなものが出ていたこと。
「今までに思い当たる節がありますか?」と言われて素直に頷けば、先生は「やはり、そうですか」と小さく相槌を打った。