はちみつ色の太陽
✽ ✽
「…………だからね、私はそんなに酷い症状があるわけではないの。日下部くんには迷惑掛けちゃったけど、太陽の下にいると気持ち悪くなったり発熱があったり、軽い蕁麻疹が出るくらいで。症状はその時々で少しずつ違うし、倒れることも滅多にないし……」
話しても意味のないような思い出話を一通り話し終えれば、見計らったように大きな花火が夜空に咲いた。
パラパラと散る火花で夜空が泣いているように見えるのは、3年前の自分が今、思い出の中で泣いているからだろうか。
どうして自分が……と、絶望に濡れているからだろうか。
そんなのもう、当の昔に……諦めたはずなのに。
「あー、なんか、ごめんね?急に、こんな話して。せっかく花火大会に来てるのに、しんみりさせちゃった」
「……蜂谷、」
「だからね!日下部くんが申し訳ないとか思う必要は全然ないし!……私のこと、可哀想な奴だとか、そんな風に思ってくれなくて大丈夫だから!
ほら、もう慣れっこだし、紫外線対策するのも案外楽しくやってるし?日下部くんが言うように、日焼け対策だと思えばさ!だから全然、ホントに大丈―――――っ、」
「もういいから……黙ってろ」
「……っ、」
「……可哀想な奴だなんて、思うわけないだろ」
「く、日下部く、」
「そんな風に……思うわけない」
日下部くん……?