はちみつ色の太陽
ぽつり、と。
零された言葉はまるで、日下部くんが零した涙の雫のようだった。
思わず息を飲めば、ゆっくりと。私の髪に指を通した日下部くんは、慰めるように私の頭を優しく撫でる。
「……お前って、馬鹿だから気付いてないんだな」
「え、」
「自分が、どれだけ凄いかってこと」
「私が……?」
「お前は今、現実から逃げずに真っ直ぐ歩いてる。強くなる必要なんてない。だって、それだけでもう、十分だろ?」
「っ、」
「別に……周りからどう思われようが、そんなの関係ない。俺が知ってる“蜂谷 美月”は、馬鹿みたいに真っ直ぐで、馬鹿みたいにお人好しな……太陽に嫌われても、真っ直ぐ前を向いて歩いてる、変な女」
――――太陽に、嫌われても。