はちみつ色の太陽
 



「あ……高橋くん、おはよう」

「おはよう、蜂谷さん」



ぼんやりと白坂さんのことを思い浮かべていれば、昇降口でバッタリ高橋くんと遭遇した。


高橋くんは、あの花火大会の翌日、学校で会うなり私に改めて謝ってくれた。


“ 蜂谷さんの気持ちを考えずに無神経だった。本当にごめん ”


私としては、こちらこそ花火大会を台無しにしちゃって、挙句の果てには八つ当たりまでしたんだから謝るのは私の方だと言ったんだけど。


それに、高橋くんに悪気がなかったこともわかっていたし。


結局、最終的には何故か二人でペコペコと謝り合うという事態に陥って、そんな場面に偶然通りすがった日下部くんに、気持ちが悪い奴らだと一蹴された。


 
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