はちみつ色の太陽
 


そんな、作業に関する話と世間話を交えながら、私と高橋くんは二人で、教室へと向かっていた。


相変わらずウルサイ蝉の声。

これが夏が終わりに近付くにつれ、知らぬ間に静かになっていくと思うと、まるで私たちの作業工程に似て少し寂しい……なんて。


そんな私の気持ちを知ったら、夏休み前の私は驚くだろう。



「え。アレ、何やってんだろ」


「え?」


「ほら、なんか、先輩たちが教室の前で固まってる。……あ、後輩もいるし」



と。

教室まであと数メートルというところで、突然足を止めた高橋くんは、視線の先の光景を見て小さく首を傾げた。


 
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