はちみつ色の太陽
怒りと落胆を滲ませた声でそんな事を言った先輩に促されるまま、私は自分の教室を覗きこんだ。
「っ、」
と。覗きこんだ先。
そこには昨日の帰りに見た、ほぼ完成に近付いていたアーチの姿はどこにもなくて。
その代わりに、スッカリ変わり果てた姿の発泡スチロールのゴミや、繋ぎに使っていたダンボール。
ご丁寧にもペンキや絵の具まで撒き散らされた、私たちの作業スペースが混沌とした様子で広がっていた。
「な、なんで、こんな……っ。だって、昨日の帰りには、もう殆ど完成して……っ」
混乱で、状況の全てを理解するには時間が足りなくて。
思わず先輩たちに縋るような視線を送れば、先輩たちもまた困り果てた様子で、私を見て溜め息を吐いた。
「……うん。私たちもね、蜂谷さんと日下部くんが作ってくれてたアーチが、ほぼ完成してたのも知ってる」
「でも、朝来て見たら、この有り様で……私たちも今、驚いてるのよ」
「一体、誰がこんなことしたのか……これは流石に、酷すぎる」