はちみつ色の太陽
綺麗な顔には不似合いで残念なほど鼻息荒く、身を乗り出しながら詰め寄ってくるミドリを前に、嫌な汗が全身から吹き出した。
え、ちょっと待ってよ。
だってアレは夢のはずでしょ?
倒れた私が見た、とってもスイートな夢のはず。
それなのにミドリってば、何を意味のわからないことを……大体にしてお姫様抱っこって、何それ?
「美月……あんたまさか、何も覚えてないの?」
「な、何もって……わ、私、倒れたんだよね?」
「そうだよ!そうだけど!!その、倒れたあんたを運んできたのが陽くんだったのよ!!」
「え……?よ、陽くんってまさか……あの、日下部 陽様ですか……?」
「それ以外、誰がいるのよ!?」