はちみつ色の太陽
 



待て待て待って、突然何を言い出してくれてるの。


しかも、何その、まるで近所のお節介おばさんみたいな口調は。



「………………保健室で、二人きりにしてあげるって言ってんの。この仮は、今度フォーティーワンアイス奢ってくれたらそれでいいから」


「はぁ!?」


「もちろん、後で詳しく事情説明よろしくね?」



だけど、そんな私の思いとは裏腹に、ぼそり、と。耳元でそんな言葉を囁いたミドリは、「それじゃあ、ごゆっくりぃ〜!」なんて言いながら、スキップで保健室を出て行った。


ミドリの背中を呆然と見送りながら、私は次々と全身から噴き出てくる汗が止まらなくて。



「…………なんだよ、アレ。古賀 ミドリ(こが みどり)って、あんなキャラだったか?」



不信感全開でそんなことを言った日下部くんに、私は、なんの返事も返すことができなかった。



 
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