はちみつ色の太陽
 


「……っ、ぶね」

「っ、」



気が付いたら、私は日下部くんの腕の中にいた。


恐る恐る視線を上げた先。

そこには近過ぎるほど近くに、日下部くんの洗練された綺麗な顔があって、私は声も忘れて固まってしまう。


え、え……?今……何が……



「……ケガ、してない?」



そう言う日下部くんは、驚くほど至近距離で心配そうに私を見つめる。


放心状態の私は、曖昧に頷くことしかできなくて。


だって、ちょっと待ってよ、コレって、まさか……


しゃがみ込む日下部くんに、馬乗りになるような形で抱え込まれている私。


旗から見たら、まるで私が日下部くんを誘惑するように跨って(またがって)、キスでもしそうな体勢だ。


 
< 333 / 461 >

この作品をシェア

pagetop