はちみつ色の太陽
正直、幸せに浸りすぎて油断していたのも事実。
だけどミィと出逢ってから今日までの数週間、一度足りともあの場所に誰かがやってくることはなかったから、安心しきっていたんだ。
蜂谷を見た時、全身の血の気が引いた気がした。
現に、俺とミィの前に突然現れた蜂谷だって酷く動揺していて、わけのわからないことを口走っていたし。
そんな蜂谷に、どうにかして口封じをしなければ。
どうにかして、ミィと俺のことを忘れさせようと模索していた矢先――――突然、こいつが倒れた。
目の前で、大きくフラついた身体。
今にも倒れようとしているその身体を支えろ、とばかりに俺の腕から飛び降りたミィの優しさに答えるように、俺は咄嗟に蜂谷の身体に手を伸ばした。
季節は初夏。
けれど、初めて触れた蜂谷の身体はまるで真夏の太陽の下に何時間もいたかのように熱を持っていて、その熱さに思わず俺は眉根を寄せた。