はちみつ色の太陽
「おい、大丈夫か?」
そう聞いても、返ってくることのない返事。
それにこいつが意識を失っていることを改めて知った俺は、足元で心配そうに俺と蜂谷を見上げるミィに、「ごめんな」とだけ零すとグッタリとしたまま動かない蜂谷を抱き直した。
見れば蜂谷は長袖の体操服なんか着ていて、そのせいで無駄に暑さにヤられたんじゃないかと内心舌を打つ。
……自業自得じゃねぇか、それなのになんで俺がこんなこと。
女一人抱えて歩くのはお世辞にも楽ではなく、必然的に滲む汗。
うちのクラスは、今は体育の授業中。
行きたくもないプールに足を運んで先生に蜂谷を見せれば、手が離せないからそのまま保健室に運んでくれと頼まれた。
その間もキラキラと光を反射して存在を主張するブルーの水面が……鬱陶しくて。
そんな世界を一分一秒見ているのも耐えられず、俺は先生の言葉になんの返事もせずに踵を返すと、言われるがまま保健室へと蜂谷を運んだ。