はちみつ色の太陽
「それにしても、陽、なんでまた、泳ぐことに決めたんだよ……!しかも、その髪……っ。お前、水泳部に入るのか!?」
潤に指摘され、改めて自分の髪に指を通した。
昨日まで、はちみつ色に染まっていた髪は、もうそこにはなくて。
久しぶりに黒く染めた髪は、違和感しか感じない。
だけど、その違和感にさえ喜びを感じてしまう自分は、一体どれだけこの瞬間を待ち望んでいたのかと呆れてしまうほど。
潤の言うとおりだ。俺はまた、水泳をやりたい。
この学校の、水泳部に入りたい。
……あんなに、頑なに水泳をやることを拒んでいたくせに、結局俺には水泳しかなかったんだ。
そして、俺にそう思わせてくれたのは。
俺に、前に踏み出す勇気をくれたのは、他でもなく、あいつだから―――――
「日下部……っ!!」