はちみつ色の太陽
「水嶋……俺、お前にまた会えたら、あの時のこと、謝りたいと思ってた。今更遅いかもしれないけど、でも……」
水嶋を前に、あの夏のことを言葉にすれば、あからさまに眉間にシワを寄せた水嶋が言いたいこともわかってる。
だけど、それでも。
どうしても、伝えたい言葉があるんだ。
「何、言ってんだよ……っ。あの時のことなんか、俺たちは、少しもお前のせいだと思ってねぇよ……っ。それよりも俺が怒ってんのは、お前が俺たちのことを――――」
「――――俺のこと、信じてくれてたのに。気付けなくて、ごめん」
「え……、」
「俺が、また水泳部に戻ってくる……って。チームのみんな、ずっと俺を信じて待っててくれてたのに。チームメイトでいる内に……それ、叶えられなかった」
「日下部……」
「もう、あの夏みたいに同じチームでは戦えないけど……今度は、ライバルとして戦いたい」
「っ、」
「俺を信じてくれていた、みんなの気持ちに恥じないように……俺、これからまた死ぬほど練習するから。この学校の水泳部のメンバーと、絶対また、お前たちと同じ場所に立ってみせる。だから――――」
――――だから、
「また、一緒に泳ごう」
周りの優しさに気付けたら、自分はもっともっと強くなれるんだと……美月に言われて、俺はようやく気が付いたから。