はちみつ色の太陽
天敵から我が子を守るようにミィちゃんを胸に抱きながら、キッパリとそう言い切った日下部くんは、酷く冷たい目を私に向けていた。
まるで、真っ暗な水の中に一人、放り込まれたような温度のない視線。
それに思わず息を呑めば、緊張感だけが高まって。
だけど次の瞬間、張り詰めた空気を切り裂くように、日下部くんの腕の中にいたミィちゃんが私のいるベッドへと軽やかに跳び乗った。
「ミィ!?」
「にゃあん」
スリスリと、私の身体に身体を寄せるミィちゃんは温かく、心が自然と絆されていく。
……ああ、そっか。
日下部くんもきっとこんな気持ちで、ミィちゃんの無邪気な可愛いらしさに、癒やされているんだ。
そんなミィちゃんのことを思えば、ついつい必死になってしまって。
確かに日下部くんの言う通り、あの日下部ファンの皆さんにミィちゃんの存在が知られたら、とてもとても危険かもしれない。
だって、ミィちゃんを人質――――基、猫質(ねこじち)にとれば、日下部くんとお付き合いもできちゃいそうだし?