はちみつ色の太陽
 



自分でも、何を馬鹿なことを言っているんだと思うけど、今は本当に、これ以上の方法が思い浮かばなかった。


だって、もしも噂を否定したところで、日下部くんにお姫様抱っこされた事実は変わらないわけだし。


それだけで十分、学校内で生きにくい生活になるのは間違いなかった。


だとしたら、だ。

もしも日下部くんが噂を容認し、そばにいてくれたなら、女の子たちだって私に報復はし難いだろう。


何かしたら、日下部くんにバレちゃうし。


そうしていくうちに噂が段々と大人しくなった頃、日下部くんとはパッタリ関係を断ち切って、私が呆気無くフラレたことにすれば問題ないはず。


だいぶ遠回りだけど、今の血気盛んなメスライオン状態の皆さんの群れに、丸腰で飛び込むよりも幾分か命の危険は減るだろう。


まさか、自分がミィちゃんのことを猫質にするなんてクズ人間過ぎるけど……うん。この場合は仕方がない。



 
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