はちみつ色の太陽
「まぁ、予想通りといえば予想通りだけど」
「何が?」
「ううん、日下部くんってモテるんだなぁって、改めて思っただけ」
言いながらヘラリと笑えば、ミドリは呆れたように溜め息を零した。
「――――あ、そういえば。美月、今日は日直じゃない?」
「えっ。あ……そうだった!日誌、まだ取りに行ってない……!」
「ハァ。早く、行ってきなさいよ。もうすぐ、1限始まっちゃうよ?」
「う、うん。ありがと!行ってくるね!」
いけない、昨日のことがあまりに衝撃的で、日直のことをスッカリ忘れてた。
担任の先生は、そういうことに結構うるさいから早く取りに行かなきゃ、後々どんなことを言われるかわからない。
そうして慌ててスリッパを履き直し、ミドリを残して教室を出た私。
相変わらず痛い程感じる視線に気付かぬふりを決め込んで、私は職員室で日誌を受け取ると、足早に教室までの帰り道を急いだ。
「ねぇ、ちょっといいかしら。蜂谷 美月さん?あなたが……、蜂谷さんよね?」