はちみつ色の太陽
「え?」
「あら。やっぱり、あなたが蜂谷さんなのね」
けれど、その途中。突然声を掛けられて、私は足を止めることとなった。
声のした方へと振り向けば、そこには腕組みをしながら私を見る派手な容姿の女の子を先頭に、何人かの女の子たちが鋭い視線を私へと向けていて。
……誰?と、思わず首を傾げたのだけれど、
「あなた、日下部くんのことを好きでいて、私たちのことを知らないわけないわよね?」
その言葉に、鈍い私でも流石に合点がいく。
それと同時に、思い出したのは――――日下部ファンの中でも、かなりの過激派で有名な“日下部親衛隊”のこと。
……ああ、そうか。
きっと、彼女たちがその親衛隊で、目の前で冷たい笑みを浮かべている彼女が、その親衛隊のリーダーなのだろう。
遠巻きに私を見る女の子たちと違って、こうして堂々と話し掛けてくる時点で、他の日下部ファンとは一線を引いている。
「その顔は、知ってるって顔ね?あなた、知っていたくせに――――よくもまぁ、抜け抜けと私たちを差し置いて、陽様に近付いてくれたわね!!」
「っ、」