はちみつ色の太陽
嘘、でしょ?
―――ドンッ!!と、予想外にも、突然勢い良く身体を押されて、私は上手に受け身もとれず、その場に盛大に尻もちを突いた。
咄嗟に伸ばした両手の平は、冷たいリノリウムの床に鈍い音を立てて擦れ、ヒリヒリとした痛みを残す。
……まさか、こんな風にいきなり手を出してくるなんて。
守れずに床を滑っていった黒い日誌が視界の隅に映って、驚きに声も出ない私の代わりに泣いてくれているようだった。
「あんたみたいなブスが、陽様に近付いてんじゃないわよ!!」
「―――っ、」
そうして次の瞬間、トドメとばかりにバンッ!!と、身体の横に投げ付けられたのは―――今朝なくなったばかりの、私の上履き。
その上履きは、ご丁寧にも派手な落書きと共に所々がハサミか何かで切られていて、もう二度と、履いて歩けそうもない。