はちみつ色の太陽
「な、何して……」
「何してくれてるのって、こっちのセリフだからねっ!それより何より、今すぐ謝ってっ!私のお父さんに謝ってよ……!こんなことがお父さんに知れたら、絶対悲しむに決まってるっ」
「なに、言って……」
「大体ねぇっ、私にこんなことして、日下部くんの心が手に入るとでも思ってんの!?バカじゃない!?こんなことしたら、自分の価値をどんどん下げていくだけなのにっ。日下部くんだって、そんな女に靡くような安い男じゃないよ!!それに、イジメなんて、今どき全然流行らないからっ!!寧ろ、そんなことしてるなんて、超恥ずかしいからねっ」
「っ、」
「ダサいっ、ダサすぎるっ!!何もかもがダサくて、全然笑えないっ!!寧ろ、こんなことで笑えるあなた達の神経を疑うわっ!!」
そこまで捲し立てるように一気に叫べば、そのせいでハァハァと切れる息。
ブレーキの壊れた私の呼吸音だけが、人気のない廊下に静かに響き渡っていた。