はちみつ色の太陽
「…………っ、あ、あんたっ」
「――――、ハッ!!」
けれど、そんな風に怒りに我を忘れた自分に後悔するのに、そう時間は掛からなかった。
それというのもたった今、芸人でもないのにスリッパで頭を引っ叩かれた彼女が、茹でダコかってくらいに顔を真っ赤に染めている。
ま、まずい…………
そんな彼女を改めて見ていたら――――自分の仕出かしたことの重大さに、私は今更ながらに気が付いて、一気に頭の中がクールダウンされていった。
「暴力っ!!今、あんた、私に暴力を奮ったわよね!?」
やった。やってしまった。
イジメがどうとか言っといて、茹でダコになった彼女の言う通り、確かに今、私は彼女の頭を引っ叩いた。
しかも、トイレに行った後のスリッパで。
そして、そのスリッパという名の凶器も未だに私の手に握られている。