はちみつ色の太陽
「……もういい、そのまま教室まで歩けよ」
「え……ええっ!?」
「あ、やばーい!もう一限始まる1分前だ。美月ちゃん、それ履いたまま、頑張ってダッシュしてね?」
「え、ええええっ!?」
言いながら、本当に走り出した刈谷くんと日下部くん。
あっという間に角を曲がって見えなくなった二つの背中は、たった今感じた優しさの欠片も感じられない。
おいおい、嘘でしょ、嘘だよね!?
けれどそんな私の焦りを知る由もなく、無情にも鳴り響いた授業の始まりを告げるチャイムの音。
それに慌ててブカブカの上履きを履いたまま、カッポカッポと走り出した私は、結局授業に間に合わなくて……
まさかのミッキーマウス状態のまま、先生に朝からネチネチと怒られる羽目となった。