もしも超能力が使えたら
「はあ、ハア…ハア…。」
やっと、教室につくと残り1分というぎりぎりだった。
息切れする私たちに「おはよ!」という、いつめんバー。
「はっ、ハア…お、はよ…ぁ」
美月もすごい息切れ。
「どんなけ走ってきたん!」
関西弁が特徴の美沙子は、心配そうに私達を、見つめた。
「だ、大丈夫…はあ…」
私よりもずっと疲れている美月に、美沙子は近寄ってまだ開けてもないペットボトルを差し出した。
美沙子は、このグループの優しいお姉さんキャラ。
だから、いつもこうやって妹タイプの美月のそばにいて、助けている。
「いいよ、私…大丈夫。」
遠慮する美月に、「飲んで。 」と強引に美沙子言われると、
ゴクッゴクッと勢いよく飲む美月。
キーンコーンカーンコーン──。
チャイムが鳴り、みんなそれぞれ席に移動した。
そして、朝の読書。
汗だくな私は、このジッとしている静かな10分間がすごく地獄だ。
暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い!