もしも超能力が使えたら
私は自分の席で唖然としている人を演じてイタズラしたことに後悔した。
「黒板じゃなくて、ノートにうつさなきゃ。」
耳元で、静かに言われた。
えっ、と振り向くと美月が。
そうだ、美月知ってるんだ…。
「あ、はは…!」
と、笑うと美月も笑った。
私と同じ、みんながこんなに騒ぐのがおかしろ面白いのだ。
「誰も、怪しんでないね。 」
と、美月。
「本当に!」と、また笑った。
「あっ、美沙子来た!シッ! 」と、私は呼びかける。
「彩音、近くて怖かったやろ?!大丈夫?」
優しい。
でもね、怖いどころか…楽しかった♪
「うん、怖かったぁ…、 」
と軽く演じた。
嘘ついてごめんね、美沙子。
「…ね、怖かったね。」
美月も言うと、美沙子は私たちの頭に手を置いてポンポン、とした。
「大丈夫、大丈夫! 」
その笑顔は本当に安心できて、ほっこりするとともに、嘘をついてる罪悪感に襲われた。
美沙子なら、言っていいかもしれない。
しばらくして、先生は正気に戻ったのか
「みんな!静かにしなさい!
席に戻って、授業中ですよ!」
その声かけで、いつの間にか来ていたいつメンバー莉奈と美月、美沙子が戻る。
その後、3の1のこのクラスでは
「幽霊事件」と、噂されなにもないのに、他クラスがよく1組に来た。