もしも超能力が使えたら
急に頭になにか、入り込んだような感覚になった。
けして、痛くはない。
だけど、すごく不思議な感覚。
水のような空気が頭をスーッと通ってるように。
やっと、止まると…なぜか1点の物に目がいった。
それは、飴が入っている手のひらサイズの箱。
もしかして。
と、私はその箱に力を入れるようなイメージをつくる。
「っ…」
すると、本当に力が流れ込んでるように私に重力が、かかった。
上に浮かばせるように…。
カタ─。
横に軽く動く。
違う、上に、
浮け!!!
イメージを強く、強く。
ふわり、ふわりと浮かんでいる箱を思い浮かべて。
「浮け!」
ぐっ、と力を入れた。
ふわっ─。
「あっ、浮いた!」
カタ─。
あ、落ちた。
力を抜いたから?
もう一度!
ふわっ─。
コツを掴んだみたい。
次はベッドにいる私のとこに移動して…。
ふわり、ふわりと箱に糸が付いていてぶらさがってるように私の方へゆっくりやってくる。
その間も、私は気が抜けず、箱に力を注ぎ込む。
約、1mも浮くその箱はわたしの頭上までやってきた。
「ふぅ…」
やっと、気をぬくと、ふら、りと私の膝へ落ちてきた。
「……なにこれ、すごい!」