もしも超能力が使えたら
あー、出た出た。

なんだよ、東城家(とうじょうけ)って。
歴史を持つ、代々受け継がれたとか。

マジ古すぎ。


「昔は昔、今は今なんだよ。」

「甘ったれたことを言うな!
いいか、昔はな、扇風機さえなかったんだ。それどころか毎日勉学に励むやつもいたんだ。
少しは見習え!」

「だから、時代遅れなんだよ!」

「時代は、流れようと…」

「親父がそんなワガママいってるから召使が熱中症になって、よく救急車きてんじゃねーか!
すこしは、考えろ!」

「そんなひ弱な奴は、いらん!」

「んなこといって、親父も倒れただろ!?」

「それは…疲れてたからだ! 」

「召使こそ、倍疲れてんだよ!
ひと部屋くらい、クーラーつけろ!」

「…っ、一部屋だな?」

「ああ、そうだよ!」

「…わかった。しかし!一部屋だからな。」



よっしゃああああああ!
俺は心の中でガッツポーズをした。

クーラーがつくこと、それ以上に親父に勝てたからだ。
今日は、調子がいい。


いつもの親父なら、こんなもんじゃすぎない。



はっはっはー。


と俺は笑いを堪えて、黙って出て行った。



「ありがとうございますっ、勇太様。」


盗み聞きしていたお手伝いさんが、笑顔でお礼を言う。


「いや…別に。」


すこし、照れた。
というか、可愛い子。はじめてみた、この人


「新入り?」と聞くと、はっ、として

「あ、はい!新入りの、まこ、と言います!」

「まこか、よろしくな。」


たぶん、年上。
だけど、次の主である俺から見れば、召使(お手伝いさん)こそ一番身分低い。
まぁつまりは絶対敬語を俺はつかわない。


そんな身分で育ったから俺は不良校のトップになっちまったわけだ。
高1にしてだぜ?(現在進行中)

自慢できると思って親父に行ったら殴られた。
武士文化もある、この東城家で1番強いのが親父。
だから、かなり強いと言われる俺でも到底かなわねぇ。


一位になれ、勝て、って親父が言うのは不良校のトップとはまた違うらしい。
なんせ、バカなんで。

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