もしも超能力が使えたら


感激したあまりに、俺はなぜか走り出した。



すげぇぇぇえええっ!!!




バタバタ、ドンドンと走り回る俺。



ちら、とスマホをみたらもう、普段にみえてるスマホの液晶画面だった。




ドンッ──。




俺は誰かとぶつかり、跳ね返るように後ずさり。
なんとか耐えたものの、もうすこしで尻もちしていた。



「きゃっ!」


どうやら転んだのは、さっきの召使のまこだ。





「ごめん、大丈夫か?」


ジーッと、まこをみる。
目が真っ赤になっていた。

泣いちまったのか…?


「…だ、大丈夫です。では…。」


そういい、立つと俺を避けて逃げようとした。


「なに泣いてんの?」


ピタ、と止まるまこ。


「え、な、泣いてなんかいません。」



明らかに声震えてんじゃねーかよ。

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