もしも超能力が使えたら
カタカタ──。
左右に揺れ出す、お箸。
ふわっ─。
浮いた!
「お、おはち!ういてる!」
妹はきゃはきゃはと笑いだした。
「ね?ね?お母さん!!」
と言うのに、お母さんは見向きもしない。
カタ──。
あーあ、落ちちゃった。
それに…すごい疲れた。
全身怠い。
体力使うんだなぁ、これ。
しかも部活終わりだし、体力が元からないわけで。
「もっかいちて!おねえちゃん!」
「えー、疲れたよ。」
「おねえちゃん!!」
「明日ね。」
「いやだぁぁああ!!」
妹は駄々をこね始めた。
「あんたも、してあげなさいよ。
マジック。」
お母さんはチラ、と私を見て言う。
なによ、マジックじゃないし!
「超能力だってば。
えーと、なまえは…わ、すれたけど。」
「なら、見せてちょうだい。」
「さっき見てなかったじゃん。
疲れたし。」
「あら、そう。」
ムッ
私はイラついて、また部屋へと戻った。
もういいよ。
妹は幼くてよくわかってないし。
お母さんは興味もたないし。
明日、友達に見せるんだもん。