探偵ゲーム
うぅ…頭が痛い…
眠っていたのか?
目を開けるとそこはダンボールが積まれた埃っぽい大きな部屋だった。
部屋?いや、倉庫という感じだ。
何処だ?
するとそこには一人の少女がいた。
見たことあるぞ。今日の転校生だ。
僕は起き上がり彼女に近づく。

『や、やあ。ここ何処だかわかる?』

『知るはずないでしょ。』

うっ、そりゃそうだ。
でも彼女は何をしている?
ダンボールの中を覗いたり叩いたりしてる。
謎だ…

『何してるの?』

『見てわからない?調べてるの』

彼女は面倒くさそうに答えた。

『調べるって何を…?』

『何って貴方、自分の置かれてる状況わかってるの?』

自分の置かれてる状況…?
そういえば僕は眠らされてここにいるんだったっけ?
えっと…じゃあ…

『誘拐された?』

『違う』

え、違う…?

『違うとは?』

『普通誘拐されたらこんなに自由にされないし、手や足を縛られてもおかしくない。それに一人ぐらい監視がつくはずだしそもそもこんな大きな場所に置いておく理由がない』

言われてみればそんな気もする。
でもこのまま納得もしたくない。

『そうだとしてもさ、たまたま縄やロープが無かっただけかもしれないし、人手が足りなかったりこの場所しか使えなかったと言う考えもあるよね』

『そんなはずはない。』

『どうして言い切れるの?』

『私達は強力な睡眠薬で眠らされてここに連れて来られた。そこまでする人が縄を準備し忘れる?それにここしか場所が無かったなら私達を眠らせた人達もここにいるはず、なのに居ないと言う事は顔を見られたくないの。』

…納得しざる得ない。
でもどうして誘拐じゃないなら他に理由があるのか?

『じゃあどうして僕達はここにいるんだ?何が目的?』

『知らない。でも1つ言えるのはこのゲーム、すごく美味しそう』

…はぁ!?意味がわからない?
ゲーム?
美味しそう?
どういう事だよ!!

『どういう事?』

『転校生初日に一番面白そうな人物と仲良く部屋に閉じ込められてる。もうこれだけで美味しい脱出ゲームの始まりだよ』

もう彼女の言う事はあまり聞かないようにしよう…話してる意味がわからない…
次元が違う

『ねえ、このダンボール変だと思わない?』

安心して、君が一番変だよ

『何処が?普通のダンボールに見えるけど…』

『埃をかぶってない』

そう言って彼女はそのダンボールの蓋を開けた。
すると中から電子ロックが出てきたのだ。
数字を3つ入れるタイプらしい。
そして1つのメモが…


〔L,8,E〕

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