淡く儚い恋物語 Ⅰ ~君の隣で~
─────────パァァンッッ
「っっっ!!!!」
一瞬何が起きたかわからない
でも後からやってくる頬の痛みで理解できた
「澪……澪っっ!!
ひどいよっ!ひどい…」
ビンタされた後初めて私の視界に入った優香の顔は
涙でぐしょぐしょだった……
「……」
「ふっ……うぇっく…
うぅぅ~…」
「……」
泣きじゃくる優香に何も声はかけれない
「…澪ちゃん?」
「海…帰るわ」
「ん!?」
「帰るわ。送らなくていいから」
どうしていいか私にも分からなかった
優香を笑顔で迎え入れたい気持ちと
今や黒澪の姫という位についてしまった私が関わっては危険が及ぶという気持ちの
葛藤が続いていた….