窓際の山河くんの隣は。
窓際の山河くん。

今日は、学校に行って、授業を受けて、友達とお喋りして、放課後は図書室で勉強して、家に帰って、寝る。

そう、いつも通りの一日を過ごすはずだったんだ。


彼と話すまでは――――……






「凛子ぉー、どうしようあたし。模試めちゃくちゃ悪かったんだけど!」


深いため息をつきながら、
今にも泣きそうになっているサキに続いて、


「やばいんだけど!うちも超やばい!今回もっと良いと思ってたんだけどなあ……凛子はどうせまた良かったんでしょー?」


羨ましいなあ、と言いながらサキと同じようなため息をつきながら私の前に座るミカ。


そう。今日は模試が返って来たのだった。
高3の私たちは、今受験勉強に必死で、みんなが自分の成績を心配し、焦っていた。


「ううん、私も思ってたより良くなかったんだ」


苦笑いでそう答える私は、もしかしたら彼女たちにとってはただの嫌味にしか聞こえなかったのかもしれない。


二人は微妙な顔をして、
私の肩を叩きながら「またまたそんなー」と茶化していた。


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