窓際の山河くんの隣は。
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翌日、学校に行っても山河くんはいつも通り、窓の外を眺めているだけだった。
本当に、不思議な人。
「えー、今日は今年最後の席替えをする。君たち受験生はもうこれからが本番で、席替えなどしている暇はなくなる。今回で最後だ」
HR中、『ええー』というクラスのブーイングが教室に響き渡った。
席替え……
山河くんは、またいつも通りの同じ席に誰かに代わってもらうんだろうね。
彼の方を見ても、やっぱり興味がなさそうにしていた。
私にクジの順番が回ってきて、目を瞑って恐る恐る引いた。
番号を見てみると、
「あっ……」
その席は、山河くんがいつも誰かに代わってもらう席の、その右隣の席だった。