窓際の山河くんの隣は。
「や、山河くんっ!」
放課後、帰ろうとしている山河くんに勇気を振り絞って声をかけた。
昨日とは違ってすぐに私の方を向いてくれ、何?と小さく呟いた。
「あ、あの……一緒に、帰らない?」
突然の私の誘いに山河くんは目を丸くして、一瞬固まっていたけれど、
「別に、いいけど」
と言いながら歩き始めた。
まさか、そんなにあっさりオッケーをもらえると思っていなかった私は、少しびっくりして、山河くんの後ろに慌ててついていった。