窓際の山河くんの隣は。
「……」
気まずい、無言のまま時間が過ぎていた。
山河くんより一歩後ろに下がって歩いている私。
早く、何か話さないと。
どうしよう、直球に聞く?
どうしてあんなこと言ったの、って?
でもそれだと……
「わっ!!」
色々考えてうつむいていたら、山河くんの背中にぶつかった。
「ちょ、ちょっと!!いきなり立ち止まらないでよ、びっくりするじゃ――……」
カシャ
私の声を遮るように、カメラのシャッター音が鳴った。
見上げると、山河くんは携帯で空の写真を撮っていた。