窓際の山河くんの隣は。

「昨日、俺になんで外見てんのかって、聞いたよな」

「う、うん。そうだけど」

「俺、外っていうかいつも空眺めてる」


山河くんはそう言って、少し眩しそうに空を見上げた。


「空、好きなの?」

「好き。今日の空、お前にはどんな感じに見える?」


突然の質問にびっくりしつつも、私も空を見上げ、首をかしげて考えた。


「うーん……どんな感じって言われても…………あっ!!わかった!!ほら、あの雲、シロクマがジャンプしてるように見える!かわいい!」

そうやって一人ではしゃいでいると、


「ははっ、はははっ」


と、山河くんは今まで見たことのないくらい、笑顔で笑っていた。


その笑顔を見た瞬間、また私の鼓動が高くなった。
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