窓際の山河くんの隣は。
「ちょっと、なんでそんな笑うの?!見てよ、あそこが顔で、あれが身体で、尻尾もあるよ!手が前に出て、こうやって……」
「お前って、面白いな」
なんて、綺麗な笑い方をする人なんだろう。
そう素直に感じた。
その笑顔に吸い込まれそう――――……
山河くんの優しい微笑みに私は釘付けになった。
そんな表情見たこともない。
そんなカオ、するんだ……
あなたはいったい、どんな人なの?
「山河くん、その写真、私も欲しい」
「え?」
もっと、山河くんのことが知りたい。
今はただそれだけだった。
「だから、連絡先、教えてほしい」
正直、写真が欲しいなんてただの口実でしかなかった。
こうやって、もっと山河くんのことが知れたら、仲良くなれたら。
そう願っていた。