窓際の山河くんの隣は。
初めての気持ち。
「おはよう!」
「……はよ」
山河くん、朝弱いのかな。
昨日の笑顔とは全く別物の、とても眠そうな顔をしていた。
今、こうやって朝挨拶をして、隣の席に座って。
前とは違う生活が送れていることが、なんだか少し嬉しくて。
「あれ、凛子。いつの間にあの窓際の山河くんと?」
そして、山河くんと連絡先を交換して一緒に帰ったりするような仲になったことに、ちょっとだけ優越感を感じていた。
「こないだ初めて喋ったんだ」
私は小声で不思議そうに聞いて来たサキに笑顔で答えた。
サキは不思議そうにしながら、ふーん、と首を傾げながらまた席に着いた。
今日こそ一緒に帰って、あのことを聞くんだ。
そう考えながら一日過ごしていた。