窓際の山河くんの隣は。
なんでだろう。
山河くんと一緒に居ると、一瞬でも嫌なことが忘れられる。
彼があまり話をしないからかな。
なんだか、一緒にいて落ち着く。
彼をもっと知りたいと、思う。
ほんとにここは川もあるし、緑がきれいだし、すごく素敵な場所だ。
今までなんとも思わなかった場所も、こうやって二人で帰るとまた違う景色に見えるのが不思議。
そんなことを思いながら山河くんの隣を歩いていた。
「うわあああん、やだやだ、やだよー!!」
突然、大きな叫び声が聞こえた。
私たちは少し先の方を見ると、小さな女の子が泣きじゃくって、お母さんに駄々をこねているようだった。