窓際の山河くんの隣は。
別に、サキとミカが嫌いなわけじゃないんだけど。
むしろ、こんな私でもいつも一緒に居てくれるし、お昼も一緒に食べてくれるし、お喋りも混ぜてくれるから、すごく感謝してる。
でも、たまにこうやって“優等生の凛子”として利用されてるような気もした。
もう受験生なんだし、宿題くらい自分でやりなよ。
そうやって言えたら、と何度思ったことだろう。
「……――子?凛子?」
「へっ?」
しまった。
一人で色々考えてたら、ボーっとしちゃってた。
「どうしたの?ボーっとしちゃって。うちら、今から帰るけど凛子どうする?」
「あー……ごめんね、私は図書室でちょっと勉強してから帰るね」
「凛子はほんっと真面目だよねぇ……じゃあ、あたし達帰るね!凛子はがんばれ。バイバーイ」
私は二人に笑顔で手を振りながら教室から出て行くのを見送った。
「はぁ……」
私は小さくため息をついた後、荷物をまとめて教室を出た。