窓際の山河くんの隣は。

「ただいま……」

恐る恐る玄関のドアを開ける私。
絶対に怒られる、そう確信していた。


「遅かったわね。どこに行ってたの」

案の定、リビングからお母さんがすごい形相で出てきた。

「ごめん、ちょっと友達と喋ってて……」

「連絡もないし、心配したのよ?どこかで勉強してるのかと思ったら……友達と喋ってた?あなたそんな余裕あると思ってるの?お母さんがっかりした」

「ごめんなさい……」


いつからだろう、お母さんがこんなに私に対して厳しくなったのは。

どうしてこんな息が詰まる家に帰らないといけないんだろう。

「わかったなら早く部屋に戻って勉強しなさいよ。まったく……昨日も学校で残らないですぐ帰ってきたし。そのお友達の影響なの?またろくでもない子とつるんでるんじゃないんでしょうね?」

「ちがっ……!」

「勉強に支障をきたすぐらいなら、そのお友達と遊ぶのはやめなさい」


そう言われた瞬間に私の中の糸がプツッと切れた。

お母さんをキッとにらみつけ、二階に駆け上がった。

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