窓際の山河くんの隣は。
やっぱり、絵を描くのが好きだ。
描いている最中は、嫌なことも忘れられる。
浄化されるような気もした。
もし、プレゼントしたら山河くん喜んでくれるかな。
そう考えると、わくわくして余計に楽しくなった。
ふと、何故私はこんな楽しいことをやめてしまったのだろう。
どうして楽しくもない勉強ばかりしているのだろう。
そう考えると、手が止まった。
私は何がしたいのだろう。
「――っ……」
その時不意に、山河くんの言葉を思い出した。
“笹木さんって、嘘っぽいよね”
その言葉が心の刺さった。
私の、こういう曖昧な部分が彼には見えたのだろうか。
結局、そのことについてはまだ聞けてないままだ。
私は首をブンブンと振り、また絵に集中し始めた。