窓際の山河くんの隣は。
本当のキミとワタシ。
山河くんの家に行ったあの日から、私たちはあまり会話をすることがなくなった。
お互いに意識をしながらも、遠慮して。
隣の席に居るのに、近くにいるのに、とても遠く感じた。
山河くんが撮った空を勉強しながらも毎日ちょっとずつ描いて、昨日やっと完成した。
渡したくてうずうずしているけど、もう一緒に帰ったりすることは無かったから、タイミングがわからなかった。
山河くんが私の腕を引っ張ったあの日。
彼のことをもっと知りたいと思っていたはずなのに、なぜか今はもう目が合わせられなかった。
山河くんも同じことを思っているのかな。
私に気を遣っているように見えた。
このままじゃ嫌だ、そう思った私は山河くんに話しかけようとしたとき、
「こないだは、ごめん」
山河くんの方から話しかけてくれた。