窓際の山河くんの隣は。
「ううん、こっちこそ吃驚しちゃって……いきなり帰っちゃってごめんね」
やっと山河くんと話せた。
それがただ単純に嬉しかった。
「あのさ、今日暇?」
「へ……?」
「また、笹本の料理が食べたいなって」
ドキン
胸の鼓動が高鳴った。
ああ、またこの感覚だ。
山河くんと一緒に居ると、いつもこうだ。
私の料理が食べたい。
そう言ってくれたのが嬉しくて、照れくさくて、きっと今顔が真っ赤になっているだろうな。
「うん、私でよければ……」
ああ、受験生なのに。
またお母さんに怒られるのに。
本当に学習しないなあ。
今回は怒られる前に、勉強するから遅くなると先に連絡した。