窓際の山河くんの隣は。

「好きじゃないのに頑張っている勉強も、最近なんだか集中できないし。あ、あと……友達にノート見せてって言われたら断れなくって。自分でやりなよって何回も思うんだけど……情けないよね」

嫌われたくない、その一心だった。

サキやミカに本当のことを言ってしまったら、私のことを嫌いになってしまうんじゃないか。

そんなことばかり考えて、自分でやりなよなんて一度も言えなかった。

そんな自分をひどく嫌っていたけれど、もう性格上どうにもできなかった。


「もう、最近わかんなくて。家に居ても苦しくて。勉強以外に何かできるかなって考えても、絵しか思いつかない……けど、その絵も自信がないから、もうどうしたらいいのかわからなくて――」

「そういうとこだろよ」

「え……?」


いきなり低い声で呟く山河くんに吃驚した。
顔も険しくて、私何か気に障ること言ったかな?


「あんたのそういうところが嘘っぽいんだよ」


一瞬にして、空気が固まったように感じた。
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