窓際の山河くんの隣は。
一人暮らしを始めてから、初めて母さんや二人の有難さに気付いた。
俺は、一人じゃ何もできないんだと思い知らされた。
それでも、できることは全部して、自立しようとしていた。
情けないけれど、高校生の俺は二人にお金をもらい、それで生活をしていた。
いつか、必ず返す。
高校を出て働く覚悟はもう決めていた。
中学の時は、すぐに俺の噂は広まっていた。
それに気づいていた裕子さんは、そんな噂なんて誰も知らないような、離れた遠い高校に通わせてくれた。
一人暮らしをする際、母さんからの手紙はちゃんと持って行った。
でも、それでもまだ読む勇気はなかった。
俺は、ずっとずっと弱い人間だったんだ。