窓際の山河くんの隣は。

「俺……空見たら母さん思い出すんだ。この上に居るのかなって。俺のことずっと見てるのかなって。俺のことどう思ってるのか、って……たまに笑っているように見えるし、泣いているように見えるときも、怒っているように見えるときも……だから、毎日空見てる」


泣きながらそう言う山河くんの背中を優しく撫でた。

愛しかった。
守ってあげたくなった。

そんな自分の弱い部分を見せてくれるのが、嬉しくもあった。


「そっか。山河くんは、悪くないんだよ。だから、お母さんを安心させるためにも、ちゃんと、笑って?ほら」


今度は私が山河くんの涙をぬぐい、微笑んだ。
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